【剥離事例】4年経過したカーラッピングを剥離した際の状況と対処法
【剥離事例】4年経過したカーラッピングを剥離した際の状況と対処法
カーラッピングは、車の外観を劇的に変える素晴らしい方法です。しかし、施工後のフィルムの剥離について不安を感じる方も多いかと思います。今回は、実際に4年間フルラッピングをしていた車両の剥離作業を通じて、その状況と対処法について詳しくお伝えします。
■施工と保管状況
車種:BMW X5
使用フィルム:3M 1080‐M211(スリーエムラップフィルム1080シリーズ マットチャコールメタリック)
施工日:2020年2月14日
剥離日:2024年5月18日
保管状況:完全屋外保管(青空駐車)
■剥離の状況
4年間の完全屋外保管の結果、特にボンネットとルーフの劣化が著しく見られました。紫外線や気候の影響により、フィルムは硬化し、剥がす際にはちぎれてしまうほど劣化していました。
■剥離の手順と対策
以下の方法を用いて、劣化したフィルムを剥がしました。
- R221の塗布:劣化したフィルムに対し、3M™リムーバー フィルムリムーバーR221を大量に刷毛で塗布しました。R221はフィルムの柔軟性を回復させるための溶剤です。フィルムを剥がす前の段階でフィルムの上から塗布します。
- 揮発防止:R221の揮発を防ぐため、塗布後にマスカーやサランラップで覆いました。
- 加温:ヒートガンでフィルム全体を加温し、フィルムを柔らかくしました。
- 剥がし:数分後、フィルムが柔らかくなったところで、軍手を使用しの表面を擦ると消しゴムのカスのようにフィルムが剥がれました。
- 糊落とし:シリコンオフ(脱脂剤)を使用し、残った糊を拭き上げました。部分的にアドヒーシブリムーバーR231を使用しました。 大半の糊はこの工程で落とすことができました。
- 最終仕上げ:ポリッシャーで車体を磨き、仕上げました。
■注意点
- R221の放置時間:R221を塗布してからどれぐらい置くかの判断は難しいですが、フィルムが十分に柔らかくなるまで待つことが重要です。
- R231の使用方法:R231刺激臭があるため、使用箇所に注意が必要です。フィルムを剥がした後の、強い糊残りがあった場合に使用します。ドア付近やドアノブは避けることをお勧めします。
- 剥離作業:フィルムが硬く、劣化が進んでいる場合は慎重に作業を進める必要があります。
- 糊落とし:アルコールを使うと糊に伸びがあったため今回は使用しませんでした。 また、使用箇所によりアルコールは糊がダマになるようです。糊専用のクリーナーがおすすめです。
■サイド面とリア面
サイド面やリア面に関しては、加温することで問題なくフィルムを剥がすことができました。ただし、若干の糊残りがありましたが、シリコンオフで簡単に除去できました。
■剥離完了写真
■施工業者様へのアドバイス
カーラッピングには多くのメリットがありますが、デメリットも理解しておくことが重要です。また、お客様の大切な車を預かるカーラッピングフィルムの施工業者様にとって、施工後のメンテナンスや剥離作業は重要なポイントとなります。以下のアドバイスを参考にしてください。
- 製品特性を理解する:各フィルムの特性を理解し、適切な施工方法を把握することが重要です。フィルムごとに異なる特性や耐久性を把握することで、最適な施工とメンテナンスが可能になります。弊社ではフィルムの特性に関する情報やサポートを提供していますので、必要な際にはご相談ください。
- 定期的なチェックとメンテナンス:フィルムの劣化を防ぐために、定期的にラッピング状態をチェックし、必要に応じてメンテナンスを行いましょう。特に完全屋外保管の場合は、紫外線や気候の影響を受けやすいため注意が必要です。
- 適切な剥離方法の選択:フィルムの状態に応じて適切な剥離方法を選びましょう。劣化が進んでいる場合は、R221やR231の使用やヒートガンでの加温が効果的です。
- 高品質なフィルムの選定:耐久性の高い高品質なフィルムを選ぶことで、施工後の劣化を最小限に抑えることができます。弊社では多種多様なカーラッピングフィルムを取り揃えておりますので、お客様のニーズに合わせたフィルムをご提案いたします。
■まとめ
カーラッピングは素晴らしいカスタマイズ方法ですが、剥離する際には適切な方法と道具が必要です。完全屋外保管などの厳しい条件下では、フィルムの劣化が進みやすいため、定期的なメンテナンスや保護対策を行うことが大切です。施工業者様にとっても、適切な知識と技術を持つことが、お客様の満足度を高める鍵となります。(株)ワイエムジーワンでは、カーオーナー様や施工業者の皆様のカーラッピングライフがより安心で快適なものになることを今後もサポートいたします。